近未来少年少女
『未来』
それを言った瞬間、ミノルの顔が悲しく見えたのは気のせいかな……?
“未来”なんて言って笑われると思ってたのに……ミノルは何も言わなかった
予想外の反応に俺は焦って言った
『ほ、ほら未来なんてどうなってるか誰にも分からないじゃん?俺達が大人になったらこんな世界になってるかもしれないなぁ……なんて…』
ミノルはそんな俺とは逆に冷静だった
『……未来か…そうだといいな』
いつだってそう
同じ場所、同じ距離、同じ物を見ているのに
いつだってミノルが遠くに居るような気がしてしまう………
『ねぇユウキ、僕達はいつ大人になるのかな?』
いつ大人になる………?
俺はまたミノルの質問に戸惑ってしまった
『う、うーん……色んな事が許されるのが18歳ぐらいだから……』
『じゃぁ僕が18歳になったら、大人になれたって事だよね。……僕達は大人になっても友達かな?』
ミノルが急にこんな事を言い出すから俺は余計に戸惑っていた
いつから大人なんて…俺にも分からない
だけど、大人になっても友達かと聞かれたら
『当たり前だろ』
そう声を張った
ミノルは嬉しそうに笑った