近未来少年少女


……………………
ハァー……ハァ…………

ずっと走りっぱなしで俺の体力は限界に近かった


ハァー…………
ボールを地面に置いた


そしてトントントーンー…と合図を送る


そう、たどり着いたのは…いつもの公園

トントントーンー…っとボールを蹴りながら、ミノルが気付いてくれるのを待った

今日は平日だし、俺が来るなんて絶対に思ってないだろうしな……
…………………
………


……ガラッ
その時、窓が開く音がした

勿論それはミノルの部屋だった

ミノルはびっくりしていて、慌てて顔を引っ込めた


よ、よかった……気付いてくれた

俺は息を整えてベンチに座った


時間は夕方の5時を過ぎていて、外は暗くなり始めていた

……………………
………


『ユウキ……?ど…どうしたの?』

暫く経って、ミノルが公園に来てくれた


『突然ごめんな』

『う…ううん、僕はいつでも暇だからいいけど…。平日にユウキが来るなんて初めてだし、こんな時間に…』

俺は座っていた腰をあげた

『どうしても渡したい物があってさ』


『渡したい物………?』


俺は静かにミノルに差し出した、それはサッカーボール

ミノルはキョトンとしていて、戸惑っていた



『このサッカーボールお前にやる』


俺はミノルの目を見つめて言った


『ぇ…え?このボールユウキの大切な物でしょ…』


ミノルは理解出来ない様子で、なかなか手を出さない

当たり前だ、俺がボールをどれだけ大切にしていたかはミノルが一番良く知ってる

でも俺は軽い気持ちでボールをあげると言ってるんじゃない


だってこのサッカーボールは俺の宝物

ミノルの言う通り、大切な物だ


だからこそ大切な友達のミノルに持っていて欲しい



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