近未来少年少女

…………………………
………………


『暗くなってきたからもう帰るよ』

辺りはすっかり薄暗くなっていた


『そうだね、気を付けて』

ミノルに抱えられたボールを見て俺は言った


『明日も来るよ』

その言葉を聞いたミノルは目を丸くさせていた


『え…?明日も平日だよ?』

『なんだよ?週末じゃなきゃお前と遊んじゃいけないの?』

俺はわざとふてくされた素振りを見せた


『ううん……そうじゃなくて…』


『?』


『いつも早く週末にならないかな?って思ってるのに明日はすぐ来るから………なんか嬉しいな』


ミノル………


『そんな事言うと毎日来るぞ?』

俺は嬉しくなり、少しふざけてみた


『ほ、本当?』

ミノルの声が公園に響いた

『ぷ……あははは、ミノルがそんな大声出したの初めて見たよ』


『だ…だって……』


ミノルは恥ずかしかったらしく、うつ向いてしまった

『まぁ、とにかく明日また来るよ。約束』


『う、うん…!約束』

俺とミノルは固く指切りをした



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