近未来少年少女
俺は駄菓子屋があった場所を暫く眺め、帰ろうとした………とその時
『ユウキ……ちゃん?』
耳に聞こえた微かな声
この声は………いや……
俺の事を“ユウキちゃん”って呼ぶのはこの世でただ一人
それが誰なのか分かった瞬間、どうしようもない感情が込み上げてきた
嬉しくて
嬉しくて
胸が苦しくなった
振り返った先には………………
……………
おばちゃんの姿
神様は時に意地悪で悲しい現実を突きつけるけど
こうやって嬉しい再会を与えてくれる
俺はおばちゃんを見つめながら、そんな意地悪な神様に感謝をした
『おばちゃん………』
俺がニコリと笑うと、おばちゃんの目には涙が溢れていた…………………
…………
……
『おばちゃん……元気だった?』
俺の背が伸びたせいか、小柄だったおばちゃんが余計に小柄に見えた
『おばちゃんはいつでも元気だよ。ユウキちゃんも元気そうね』
でもやっぱりおばちゃんは前より小柄になった
少し痩せたのかな?
『俺がユウキだってよく分かったね』
おばちゃんは俺の顔を見る前に名前を呼んだ
『ユウキちゃん何にも変わってないもの』
おばちゃんがそう嬉しそうに言う
『え?嘘?変わったでしょ?10年も経ったんだよ』
『全然変わってない。おばちゃんにとっては何年経っても可愛いユウキちゃんのままよ』
おばちゃん………
可愛いって俺もう17歳なんだけどな
だけどおばちゃんも変わってない
それが嬉しくて仕方がなかった