近未来少年少女
久しぶりのような……久しぶりじゃないような複雑な気持ち
でも“本物”を見るのは10年振りだからやっぱり久しぶりの気持ちの方が上回った
『ミノルちゃんも元気?』
色々考えてる中、聞こえた言葉
おばちゃんの一言で俺は少し遠くを見つめた
“元気だよ”
そう返事が返ってこない事に、不安を感じておばちゃんが何かを言い掛けた
でもその前に俺が口を開いた
『この絵はミノルにとって何よりも大切な物だったんだと思う。それをおばちゃんにあげたって事はミノルにとっておばちゃんも大切な存在だった』
俺はおばちゃんに話し掛けると言うよりは、自分に語りかけるように喋った
『この絵は生きてるんだ』
“ミノルちゃんも元気?”
その質問に答える事なく淡々と喋り続け、終(しま)いには“絵が生きてる”なんて…
普通の人が聞いたら頭がおかしくなったと思うだろう
それでもおばちゃんは黙って俺の話しを聞いてくれた