近未来少年少女
家の中は外から見るより広くて綺麗だった
木彫りの置物や高そうな掛け軸が壁に飾られていて、長く続く廊下にはたくさんの部屋
その部屋の襖(ふすま)には金色の竜や牡丹の花などが書かれていた
一軒家と言うよりは民宿でも出来そうな程、部屋数が多くて………
俺は黙々と案内されるがまま、廊下を突き進んで行った
『随分歩いたでしょ?ゆっくり休んでいってね』
しなやかな口調でミノルのお母さんは言った
なんだか品が有りすぎて緊張する……
『でも嬉しいわ。あの子に会いに来てくれる友達が居たなんて。きっときっとミノル喜ぶと思う』
ミノルのお母さんはそう言って、一室の部屋の前で止まった
そして、ゆっくりと襖が開かれていく
開けた瞬間、畳のいい香りがした
俺の瞳に少しずつ…少しずつ、部屋の光景が映っていった
『ミノル、お友達が来てくれたわよ』
完全に襖が開かれ、ミノルのお母さんは中に向かって話しかけた
ドクン…………
ドクン………ドクン……………
…………………