近未来少年少女



ポタ……ポタっとたくさんの滴が畳に落ちていく


俺は前に進む事も後に戻る事も出来なくて

その場で肩を震わせ、立ちすくむのがやっとだった


ミノルのお母さんは慌てて俺に近寄った

すぐに着物の袖からハンカチを出して俺の頬に当てる

『もしかして………
知らずにここへ…』


ぼやけている視界にミノルのお母さんの姿が映った

俺は必死に首を横に振り、

『……す…いません…………すい…ません……』とただ謝る事しか出来なかった

胸が苦しくて、息の仕方を忘れる程涙が止まらない


俺は何度も何度も何度も必死に涙を手で拭った


霞んでいる視界でゆっくりと前を見据えた




ごめん…ミノル

やっぱり泣いちゃったよ俺……


でも逃げたりしないよ


だってお前の全てを受け止めに来たんだから



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