近未来少年少女



ミノルはずっと俺を待っていた

毎日…毎日……何時間も


ミノルは俺が来ない事を恨んでいたんじゃなくて

悲しかったんじゃなくて……

一番悲しかったのは

ずっと待ってあげられない事


自分の命が残り少ないと知っていたから……


ミノルは当時を思い出すかのようにベンチを眺めた、そして


『でも今の僕は……孤独と大人になれるのになろうとしない子供達への嫉妬で黒く染まってしまった』


『…………』


『ユウキに会えば僕はこの暗闇から抜け出せると思った。だけど………ダメだった』


『……………』


『この生きる者への嫉妬と孤独の絶望が僕を掴んで離さない……
離れてくれないんだよ…』

ミノルは自分の胸を押し当てて、震える声で訴えた


みのるはその訴えを黙って聞いていた後に『そうだろうな…』と言った


それはとても意外な言葉で、ミノルはおもわず顔を上げた

スタ……スタ……スタ

また公園に足音が響く


スタスタ………スタ

再びミノルの前で足を止めたみのるはこう言った


『そんなお前でもユウキは全てを受け止めてくれるよ』


『……………』


『でも……受け止めるだけじゃお前を救う事は出来ない。お前が求めてるのは理解してくれる人だから』


『…………』


『その痛みを悲しみを……苦しさを理解してくれる人。そんな人居ないと分かっていても、お前はそれを求めてる』


ミノルを救う方法は理解する事


俺は………俺には………できない


理解しようとしても

理解したくてもできない


時間が止まってしまったミノルの気持ちを、今も生きている俺には……………
…………………



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