近未来少年少女



『君が……僕……?何言って………』

ミノルは声を絞り出した


俺は今までの事を思い出していた

みのるが言った不可思議な言動の数々を………


“俺はあんたの中に居るから”

“俺とミノルの関係より…俺とユウキがどうゆう関係か、そう質問されてたら全てを言ってしまったかもね”

“俺のはただのお節介、あんたに良く似てるだろ?”

“困るんだよ。ユウキが大人になってくれないと”



“俺はお前だから”


みのる…………みのるの正体は……………………


確信はないけど浮かび上がった一つの答え

もしかしたらみのるは俺の…………
……………………


ぐるぐると色んな事が駆け巡る中、みのるがまた口を開いた


『人生は一度きりだけど、人間は三回に分けて生きられるんだよ』


『さ……三回?』


『過去、今そして未来。過去に戻る事は出来ない、今も変える事が出来ない、だけど未来にならいくら希望を持ったっていいだろ』


みのるは今までに見たことのない穏やかな顔をしていた


“未来”

それは無限に可能性がある言葉で、ミノルにとっては一番遠い言葉で………


時間が止まっているミノルにとって“未来”なんて本人ですら頭を過らなかった言葉だ


でも俺もミノルも分かっている


みのるがその場しのぎで言った言葉ではない事を……

まるで未来の光景が本当に見えているかのように……

ミノルの心が少しだけ揺れ動いたのが分かった



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