近未来少年少女



俺はチラッとミノルに目を向けた

表情は多少緩やかになったけど……やっぱりまだ晴れやかではなかった


『ミノ………』

俺が話しかけようとした時、その言葉はミノルによって遮られた


『…未来か………』

ポツリと呟いた声


『未来なんて…僕にはもうないと思ってた』


ミノル…………


『でもね』

『?』


『僕はさっきも言った通りもう変われない。……だけど嬉しかった、僕の為に必死になってくれた事…それだけで充分だよ』


充分………?
それってどうゆう意味………

俺はただ慌てるばかりで、一方みのるは至って冷静のようだった



『僕は向こうの世界に戻るよ』

そんな言葉が俺の耳に聞こえてきた


『向こうの世界……?』

聞き返すのが精一杯だった


『ユウキはあの世界を壊したかったみたいだけど、それは無理だよ。…あの世界を望む子供が居る限りその望みは叶えてあげられない』


『…………』



『さよならユウキ、僕達はもう会う事はないよ』





< 561 / 599 >

この作品をシェア

pagetop