近未来少年少女



俺はミノルを追う

どこまででも追ってやる


『いいのか?ようやく元の世界に戻れたのにまた行く事になるんだよ』

みのるが隣で言った


『いいよ』

俺はもう揺るがない

もう一度ミノルに会いたい

『ダイキの最後の言葉を忘れたのか?』


リーダーの言葉……


“もし運命が変わらなかったら……もしこの世界を変える事が出来なかったら…”


“ここの事は忘れてお前は普通の高校生に戻ってくれ”


忘れる訳ない、だけどそんな約束初めから守るつもりもなかった

俺はあの世界を必ず変える、リーダーやみんなをあの世界から出してやる

その気持ちだけだったから


『それは後でリーダーに怒られるからいいよ』


でも俺は再びあの世界に戻る決意をした

ミノルを追ったところで、あいつの心は動かないかもしれない

だけど…どうしてもまだやり残してる事があるから


『ふーん…で?どうやって戻るつもり?』


みのるのその言葉を聞いた瞬間、背中に嫌な汗が流れた


あ……た、確かに……………

でも美術館に戻ってあの絵からまた行けるんじゃ…………って

そんな簡単に行ったり来たり出来る訳ないか…………

『まぁ、俺が居るから心配いらないけどね』

みのるが得意気に俺の肩を叩いた



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