近未来少年少女



みんな同じ、みんないつだって思ってた

自分は一人だって

これからも一人なんだって

みんな、みんな誰にもこの気持ちなんて分からないと思ってた


でも違う、今は一人じゃない


同じ痛みを抱えた人達がこんなに沢山居る


痛みは消えない

もしかしたら、これからもっと痛みは色濃くなるかもしれない

だけど


ここに居るみんなが同じ痛みを抱えて頑張ってるんだと思うと

何でもできる気がする

何でもやってやろうと思える


もう一人じゃない

この世界で出逢った仲間が居る限り、どこに行ったってやっていける

そう思わない……?ミノル


『……う………ッ…………………』


ミノルは肩を震わせてしゃがみこんだ


俺も地面に膝をつき、ミノルを抱きしめた


『もう一人じゃない。お前は一人ぼっちなんかじゃないんだよ』

ミノルの肩が小さかった


俺が抱きしめたのは……

10年前で止まった7歳のミノルだったー……

……………………
………



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