近未来少年少女



今日でこの世界はなくなるのか……

俺は染々と街全体を見渡した

色々あったけど、ここに来なかったらみんなには出会う事はなかった

この街の全てをしっかり胸に焼き付けておこう


俺は最後の時をどんな風に過ごそう…?

そんなの決まってる


『ユウキ』


声と同時にボールが飛んできた


ガシ…!それをしっかりと両手で受け止める



『サッカーやらない?』

ミノルが笑う

何一つ変わらない笑顔で


やっと見れた…俺はずっとこの笑顔が見たかったんだ

『うん!!!』


俺の声が街全体に響いた

………………………
………………
………


四番街の広場

いつの間にか周りの電灯に明かりが灯り、辺りは暗くなっていた


俺はトン……トン…………トン……………とボールを蹴った

『懐かしい音……』

ミノルが目を瞑り、耳をすませた


『え…懐かしい………?』

『うん、ユウキの音』


俺の音…か………俺は少し照れながらボールを蹴り続けた

トン……トン………トーン………………

確かに懐かしい

この音が二人の合図だったから


俺はボールを地面に置いて

『行くよ』

そう言っておもいっきりミノルに向かって蹴った



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