近未来少年少女


……………………
…………


『そろそろだな』

リーダーが静かに言った


空はもう真っ暗で、もうすぐ一日が終わろうとしていた


広場に集まった子供達は覚悟を決めて深呼吸する


『ミノル…………』


俺とミノルの最後の時間

ミノルの顔は穏やかだった

孤独の中に居たミノルはもう居ない


最後の言葉はやっぱり一つしかない


『ミノルありがとう』


全ての思いを“ありがとう”に込めた


『ユウキ……また会える?』

また会えるかって……?


『当たり前だろ』

俺は右手を差し出した


『ありがとうは感謝の言葉でもあるけど別れの言葉でもある。でももう一つだけ意味があるんだよ』


『もう一つの意味………?』



『また会おうの“ありがとう”だよ』


俺の言葉を聞いて、ミノルはニコッと笑った


もう俺とミノルに言葉はいらない



いつまでも

いつまででも


見えない絆で繋がっているからー…



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