近未来少年少女


………………………
……………


『ここまでは理解出来たか?』

リーダーは確認するように、一呼吸置いた


『理解…まぁなんとなく………』


俺は頭を整理するのに精一杯だった


“ありえない”


そんな言葉はこの世界に
ないのだから……


……………
……………………

だんだん日が落ちてきて、
もうすっかり辺りは暗くなり始めていた


こっちは夕方って事は…
あっちの世界では明け方か………


あっそういえば…


俺はポケットから携帯を出して開いた


カチカチ…

『なにしてるんだ?』

リーダーが携帯を覗きこんだ


『フクって友達にメールしておこうと思って』


突然俺が居なくなって
学校とかで困るだろうし…

『無理だよ』


『え?』

メールを打つ手が止まった

『無理ってなにが…』



『こっちの世界であっちの世界の人間と連絡を取る事は出来ないんだ』



…連絡を取れない…?


『で、でも俺カオリから電話掛かって来たよ…?』


『それはお前が選ばれた人間だったから。普通の人とは無理だよ。やってみれば?』


俺は半信半疑でフクへのメールを送信した


……………

ブーブー

すぐに携帯が鳴り、表情された文字は

《メールエラー》


フクに送ったメールはすぐに
送り返されて来てしまった


< 76 / 599 >

この作品をシェア

pagetop