続*俺様王子とキケンな契約!?
◆二人の狼と同居生活
「おばさんもおじさんも置いていくなんてヒドイな〜オレ一人で空港彷徨ってたんだぜ」
ふんわりとした色素が薄い髪
長身でスタイルが良く端正な顔
その男はあたしを見てニヤリと笑った。
その口角…笑い方…
もしかして……
「渉くんはどこですかーってアナウンスまでしてもらったのよ?なのに出て来ないから〜」
「ウソ?アナウンスしてたのー?全然気づかなかったわ」
なんて、お母さんと笑いながら話しつつもソイツはあたしから視線を逸らさない。
ドキッとしたと同時に、背筋が寒くなった。
そして、その男はゆっくりとあたしの元に近づいて来る。
「よぉ、久しぶり。元気にしてたか?」
あたしの頭をポンポンと撫でる。
その声は少し低くなっていて、離れていた間の時間を感じた。
「……わ、わたる……?」