続*俺様王子とキケンな契約!?
「別に、渉に言ってるんじゃないからっ!ってか、ガキくさいとかいつまでも昔と一緒にしないでくれる!?いつまでも、渉にいじめられて泣いてたあたしじゃないんだからっ!」
思い切ってそう言うと、渉は驚いたようにあたしを見つめてから視線を逸らした。
「……オレはただ、芽衣が…っ」
悔しそうな、どこかやりきれない苦しそうな表情。
だけど、すぐにあたしに向き直った。
「あ〜ったく、しょうがねぇな!今から予約は無理でもキャンセル待ちとかあんだろ。それを片っ端から狙え。オレも手伝ってやるから」
渉はそう言うと、スマホを片手にインターネットで調べ始めた。
「……ありが、と」
ぶっきらぼうなところは何も変わってないんだね。
あたしも渉と一緒にインターネットで旅館を調べることに。
どこもかしこ、8月中は満室ばかりだ。
花火が打ち上げられる熱海の温泉がよかったんだけどな…
やっぱりこんな急じゃ無理だよね…
と、半ば諦めかけていたそのとき
8月24日、あと一部屋空いてる!!?