続*俺様王子とキケンな契約!?
「でも…私にとっては素直に言い合える関係がずっと羨ましかったんだ…」
香織ちゃんはどこか切なげに笑ってみせ、戻るね!と言って休憩室を出て行った。
羨ましい関係、そんな風に言われたのは初めてだ。
素直にね……でも、中学生のとき渉に本当の気持ちを伝えられなかったけどね。
ん〜と伸びをして気合を入れ直す。
よし、休憩十分だしもうひと頑張りだ!
待ってろよ〜サプライズ温泉旅行ー!!
休憩後のあたしの仕事振りは、結構いい感じだ。
小さなミスもしなくなったし…!
ふふっと思わずにやけていると、渉と目が合う。
"ニヤニヤすんな!ちゃんと仕事しろ!"
渉は口パクでそう言い、あたしを睨む。
うるさいよ!と思わず声を出しかけて慌てて口を塞ぐ。
渉はそんなあたしを見て、吹き出すように笑った。
む、ムカつく……