続*俺様王子とキケンな契約!?




「……あ、…ご、ごめんねっ」



香織ちゃんはあたしと渉の近い距離を見て焦ったような声を出す。

そして、ドアを閉め駆け出してしまった。



ウソ、待って…

もしかして勘違いされた!?



「香織ちゃんまっ…」


慌てて追いかけようとすると、渉に腕を取られてしまった。


真摯な瞳であたしを見つめる渉は、いつものお調子者な渉じゃなくて……何だか違う人に見える。


「わ、渉、離して…香織ちゃん追いかけなくちゃ」


「何でお前が追いかける必要あんの」


腕から伝わる熱はやけに熱い。



「な、何でって…香織ちゃんはまだ…渉のことが好きで…っ」



「……だから何だよ、俺と香織を元に戻そうとしてんの?」



「べ、別にそういうわけじゃないけど……そうなればあたしも嬉しいかなって…」



思わず、そう言ってしまうと
渉は酷く顔を顰めた。



< 270 / 277 >

この作品をシェア

pagetop