続*俺様王子とキケンな契約!?
何も喋らないまま、並んで夜道を歩いて行く。
だけど、掴まれた手はそのままで……
「あ、あの…手…」
渉は一瞬止まってから、あたしの視線に気付いたのかパッと手を離した。
うっ……雰囲気最悪だ…
「お前、」
「は、はいっ!」
「女一人でこんな夜道歩こうとしてんじゃねぇよ」
渉は前を向いたまま、ポツリと言う。
「走ればいいかな…って思って…」
「…ブッ、走りおせぇーヤツが何言ってんの」
思いがけないあたしの言葉に渉は吹き出すように笑った。
わ、笑ってくれた……
この前のこと気にしてないのかな……