お昼の放送です。






親父と養母の暮らす家には、当時中学生の兄貴と姉貴がいた。

俺にとっては異母きょうだいってなるのさ。

当然兄貴も姉貴も俺を厄介払いした。



兄貴と姉貴は素行が悪く、問題ばかり起こしていた。

しかし俺は成績優秀の優等生。

親父は俺を会社の跡取りにしようとした。


しかし養母と兄貴と姉貴は許さなかった。

養母ではない女の息子が跡取りなんだからな。

許せるはずがなかった。



俺は徐々に歌が好きになった。

いつも仕事で忙しかったアミさんが休みの時は、毎日歌を聞いていた。

アミさんが俺に聞かせてくれた歌を、何度も聞いた。



しかし、それを許さない人物が1人だけいた。

養母や兄貴、姉貴じゃない。

親父だった。

俺のやること言うこと反対しなかった親父が。

歌だけには反対したんだ。



俺は反対する理由を聞いた。

離婚しても、かつて愛した女が好きな曲。

嫌いなわけなかった。



そこで俺はアミさんと親父が離婚した本当の理由を聞いた。

俺はアミさんから親父と離婚した理由は、親父の会社の経営が傾いたから、そう聞いていたんだ。

しかし真実は違ったのだ。







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