お昼の放送です。






「何か・・・お礼がしたいな」

「俺が?お礼をもらうの?」

「助けてもらったらお礼しなさいって、お兄ちゃんが言うから」

「・・・じゃ、俺の言うこと聞いてくれますか?」

「何でも聞きます!」

「・・・女優、やめないでくれる?」

「え?」



女優を、やめるな?




「柚美が消えたら、勿体ない。
俺・・・柚美のファンでいたい」

「・・・アズミ」

「俺、
柚美のこと好きだ」

「・・・私も!」

「へぇ・・・嬉しいな」




ニヤリ、とアズミは怪しく笑う。



「こいつら、どうする?」

「警察にでも連絡するかな」

「まず先生だな。
言いに行こうぜ」



カラコンがばれないよう眼鏡をかけたアズミと一緒に、教室へ向かう。



先生たちは慌てて、急いで警察に連絡。

あの兄弟、多分、

まともに生きられていたら良かったんだろうけど。


イケメンだし、優しいし。







< 125 / 133 >

この作品をシェア

pagetop