お昼の放送です。
第1章
冷めた女、それが私
青い空、白い雲、輝く海。
私の在籍する教室からは、そんな風景が晴れた時のみ見える。
まぁ雨が降っているのに青い空だったら可笑しいか。
お天気雨かって突っ込まれちゃうな。
「おはよう柚美(ゆずみ)」
「・・・ん」
「眠いの?」
「・・・別に。起きてます」
「そうなの?
じゃあ元気におはようって言えば?」
「・・・はよ」
「元気ないなー」
「鳴海が元気すぎるんだよ」
朝から機関銃みたいに話すのは。
私の幼馴染兼親友の、香坂鳴海(こうさか・なるみ)。
黄色い目立つゴムでとめた茶色いポニーテールが、鳴海の笑うたびに揺れる。
本当に馬の尻尾みたいだ。
「柚美!鳴海!おはようー」
あ、うるさい奴が来る。
「おはよう由布子」
「・・・ん」
「ゆ、柚美テンション低くて、由布子悲しいんだけど」
「由布子のテンションが高いんです。
私は低くありません」