お昼の放送です。
「答えたくないよね・・・。
ごめん、変なこと聞いて」
「・・・行こう、柚美」
「へっ?」
「出よう、それで俺の親に会って」
「そ・・・そんないきなり!
じっちゃんさんは止めていたよ?」
「これで8回目なんだ。
俺の親が、俺が泊まっている家に乗り込んできたのは」
乗り込みすぎでしょ・・・。
「確かに会えば何言われるかわからない。
でも親父たちはずっと家にいなかった。
それなのに突然、予告もなしに帰ってきて乗り込んできたんだ。
今まで放っておいた俺に言えることなんてないはずだ」
「だ・・・大丈夫なの?」
「柚美やハルさんたちに危害は加えない。
外に出て話す」
「アズミ・・・」
「親父たちはいつも言うんだ。
俺を泊めた家の奴も出て来いって。
怖いと思うけど、柚美も来てほしい。
柚美は俺が守るから、俺より前に出ないで?」
「・・・わかった」
アズミは私を守ってくれる。
それは確信していた。
「行こう。
ハルさんたちが起きてくる前に」
私たちが話す間も、しきりにインターフォンは鳴り響いている。
お兄ちゃんたちは鈍感な所があるから、起きる心配はないけど、このまま鳴り響いていたら起きてしまう。
アズミは私の手を力強く握り、玄関へ向かった。