一番嫌いなアイツは彼女持ち




手を差し伸べてくれた。




「もう高校生なんだろ。




だったら、もう泣くな」




「ありがと―」




「瞬って子は、元気?」




びくっと肩が震えた。




「お前も嘘でまた、逃げたのか」




「…」




「俺のせいだな」




そういって、たかにぃは小さく笑う。




真夏の日のたかにぃの手のひらは、凄く温かかった。




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