一番嫌いなアイツは彼女持ち






手がずっと震えていた。




「ふふ、いいわ…」




それだけ言うと、扉が閉まった。




俺は脱力して、その場に座り込んだ。






「っ、あぁ…あああああぁあああ」





小さい悲鳴は、どこまでも響いた。





俺は自分で、馬鹿なことをしたと後悔した。




酷く醜いと思った。






だから、もし彼女に会えるとしたら…。




その時は、絶対に手放さないよ―。




< 296 / 398 >

この作品をシェア

pagetop