一番嫌いなアイツは彼女持ち





「最悪を考えれば…」




「…子供なんて、降ろせ」




瞬は、うわ言のように呟いた。




あたしはその言葉を、聞き捨てならなかった。




「どうして?! せっかく宿った命なんだよ!!



簡単にむげになんて、出来ない!



あたしは、絶対にこの子を産む!」




「やめろよ…、お前が死んだら俺は…」




「瞬、あたしは死なないから」




意地を見せたあたしは、この命を守りたい。



それしか、心になかった。




< 387 / 398 >

この作品をシェア

pagetop