あの子の人形


「……違うよ」


えっ……?


驚いて村上くんの顔を見た。


村上くんは照れくさそうに頭をかいていた。


「水瀬さんの気持ち、すごく嬉しいよ。……実は水瀬さんのこと、気になっていたんだ。僕と……付き合ってくれますか?」


嘘みたい……。


あのクラスの人気者の村上くんが私と付き合って下さいだなんて……!!


「嬉しい……。はい。私で良ければ付き合って下さい」


つい涙が零れた。


つうっと頬をつたっていく。


「何泣いてんの?」


クスッと村上くんは笑う。


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