エンドレス・キス
覚えていない彼
控え室から顔だけ出して周囲をキョロキョロ。
よし、いない。
「朝倉さんおはよーございまーす!」
「ひぃ!」
壁に沿って歩いていたところで、突然現れたスタッフに大きな声で挨拶されて息をのむ。
私の驚きようにキョトンとしている若いスタッフ。
「お、おはようございます!」
気まずくて足早にその場を離れて深いため息をつく。
あぁ、心臓に悪い。
どうして私がこんなに怯えなきゃならないの。
これも全部、椎名春葵のせいだ!