猫被り王子は私の彼氏!!♡
客が一向に減らないまま
とうとうロミオ姿の優が疲れ果てて
私のところへやってきた。
私の肩に手を回しながら
体重をかけてきてうなだれる優。
「あーまじ死にそう。お前がロミオ
やれよ」
今までで数回くらいしか聞いたことの
ない優の低い声。
相当疲れてんだな…。
「おつかれ。今回はさすがにここまで
頑張る優を尊敬するよ。」
「ほんと俺よくやったわ。普段の俺なら
ぜってー引き受けねーけど。もう写真も
顔引きつるし、接客ものろのろ溜め息
つきながらになるし、もうなんなんだよ」
やっぱり優も人間なんだな。。
普通そうなるよ。でも未だに
ロミオの衣装を脱ぎ捨ててカフェを
出て行かないのは優の心の強さだと思う。
「私が優に少し休憩をもらえるか
聞いてくるから少し待ってて?」
これだと優の守り続けた王子キャラが
壊れちゃうよ。
私は作っていたジュースを置いて
委員に聞きに行こうとすると
優が私の腕をひいた。
「舞も一緒に休憩するんだからな?」
私の目を真っ直ぐに見つめて優が
つぶやく。
優が私を必要としてくれてること。
それが凄く嬉しい。
「わかったわよ」