猫被り王子は私の彼氏!!♡








「優!次、わたあめ!!」





「ちょっ、待てよ…おま…

ハイスピードすぎだろ…」




 
「だってずっと来たかったんだもん!!」





私達が休憩と行って来たのは

屋台で道が作られた校門近く。





あっちからはバナナチョコの香り、

こっちからは焼きそばの香りで

私のテンションはピークに達していた。






「お前、食べすぎだから。

てか俺にも分けろよ」






「え、これはだめ!優の買ってくるよ?

待ってて!…って、あ!!」 





私はわたあめ片手に優のも買いに行こうと 
したら、優が私の腕を掴み、もくもくと

今にも浮かびそうなわたあめを食べた。 
     





「あま…やっぱこれはいいや。

たこ焼き買ってこい。」
   



「人の食べといて何なのよ! 

もー、ちょっと待っててね」





私は疲れた優を置いて一人

たこ焼き屋に向かった。
  




「たこ焼き一つ下さーい…ってあれ?

莉華ちゃん!?」






たこ焼き屋の店番にはなんと

莉華ちゃんが…!!





「わあ!舞ちゃん!!」




「え?なんで?!なんでたこ焼き屋に!?」
 





莉華ちゃんは私ににこにこしたと

思ったら今度は二カッと笑った。






「私も休憩もらったの!だから

あこがれのたこ焼き屋でボランティア

してるんだー♪」





「え?休まなくて平気?」





「私、忙しいの好きだから♪あ、

ちょっと待って!さっきの劇の事で

話したい事あるの。あ、このたこ焼きも 

もってっちゃお♪」






莉華ちゃんはいつもどうりのテンションで

できたてのたこ焼きを持って私を

誰もいない校舎の下駄箱に連れてきた。






私達は並んで座り、たこ焼きを

口に運ぶ。





「あつっ!!…んぅ♪おいひぃ」


「美味しいね♪」






たこ焼きは初心者が作ったような

ものだから形や大きさはさまざまだけど

凄くおいしい。







「あ、莉華ちゃん。話したかった事って」
 





優を待たしてる事に気づき、

早くこの場を戻りたかった私は

莉華ちゃんを促した。







「あのね、ごめんなさい。」




「え?あ、う、うん」






謝られた事は何となく分かる。

きっと劇で私にキスした事だ。






「私、実は舞ちゃんの事が好きなの。

友達としてでは無くて…えっと、その」





「恋人として?」





「そう。恋人として。舞ちゃんには

月野くんっていう彼氏がいるのは

ちゃんと分かってるの。だから月野くんに

は、あのシーンだけロミオ役を代わって

ほしいって聞いて、ちゃんと理由も説明

した。」






莉華ちゃんは今までで初めて見るぐらい

必死だった。





美人にこんな事言われると

きっと私が男の子だったら照れてしまう

だろう。






「私、同性愛者で、女の子しか

好きになれないの。だからって舞ちゃんに

つきあってほしいなんて言えないよ。

舞ちゃんは男の子しか愛せない、普通の

女の子だから。でも今まで通り友達で

いてほしいの」 




「当たり前だよ。」




たとえキスされたとしても

今でも莉華ちゃんの事は友達として

大好きだよ。



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