キスなんて贅沢はいらないから
「じゃあ、お兄ちゃんはどうなの?」

お兄ちゃん、賢くて優しくてかっこよくて。

きっと学校で人気者なんだろうな。

「高校?もちろん。いろはも来るよね?」

「ええ?無理だよ。あんな名門校。」

もちろんお兄ちゃんと同じ高校に入りたい気持ちはある。

でも多分、いや絶対無理。

あの高校に入るためには毎回テストで90点余裕で越えてるような

人じゃないと無理だって誰かから聞いたことある。

私は高望みしすぎ。

そんなの夢のまた夢だよ。

「勉強すればいいじゃん?」

「やだよ。あの高校に入学するまでに勉強しすぎて死にそう。」

「すごいいいとこなんだけどな。」

お兄ちゃんは残念そうに言う。

「俺でも憧れるようなかっこいい男子がいっぱいいるのに。」

「どういう意味?」

「うちの高校、バスケが超強いんだけど、そこの部員全員かっこいいんだ。」

羨ましい、とお兄ちゃんは嘆く。

「あんな筋肉手にいれてみたいもんだよ。」

「お兄ちゃんも・・・か、かっこいい、よ。」









< 18 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop