キスなんて贅沢はいらないから
「私は、お兄ちゃんが一番かっこいいと思うよ。自慢のお兄ちゃんだよ。」

胸の中で、呟く。

お兄ちゃんの体暖かい。

耳を当てれば、かすかに心臓の音が聞こえる。

ドキンドキン。

こんなにも近くでお兄ちゃんを感じたの、初めてかも。

ずっとずっとこのままでいたい。

離したくない。

急に昨日見た夢を思い出した。

お願いだからどこにも行かないで。

私の知らないお兄ちゃんにはならないで。

お兄ちゃんにずっとずっと私のそばにいてって、言いたい。

でもダメでしょ?

お兄ちゃんがどんな顔するか分からない。

胸がきつく締め付けられたようですごく苦しい。














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