キスなんて贅沢はいらないから
「いろはにそんなこと言って貰えたら、俺頑張れる。ありがとう。」

声は明るく、でもゆっくりとお兄ちゃんは囁いた。

恥ずかしくて黙ったいたら、しばらくしてお兄ちゃんは私から離れた。

「あっ・・・。」

お兄ちゃんが恋しくて声がこぼれた。

「どうしたの?」

「何でもないよっ。」

「びっくりした?ちょっと大胆だったでしょ?」

そう言って、お兄ちゃんはおかしそうに笑った。

自覚あるんだ・・・。

お兄ちゃんずるいよ。

私こんなにも胸がドキドキしてる。

お兄ちゃんは家族として、私のこと大好きなんて言ったんでしょ?

私がお兄ちゃんに想う気持ちはそんなんじゃないよ。

一人の男の人として、私考えてるよ。

「大胆にも程があるよ。私心臓が止まりそうだった。」

嘘じゃないよ、お兄ちゃん。







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