キスなんて贅沢はいらないから
「はぁ・・・いろは?起きてよ。ほらほら」

お兄ちゃんは私のほっぺたをつついたりひねったりした。

でも、全然痛くない。

本気で起こすきがあるのかってくらいに、お兄ちゃんは優しく私に触れる。

もっとこのままでいたいけど、そろそろ起きなくちゃ。

「・・・おはよう」

眠たそうな目をして、お兄ちゃんを見つめる。

お兄ちゃんのちょっと寝癖で跳ねてる髪の毛を見て、自然と笑顔になった。

「おはよういろは。」

お兄ちゃんは爽やかな笑顔を私に向ける。

「俺まだ朝御飯作ってないんだ。急ぐね。」

私の頭をぽんぽんと叩くと、お兄ちゃんは少し早歩きで

一階へ戻っていった。

今、7時ぐらい。

約一時間で用意を済ませ、私は家を出る。

お兄ちゃんとは反対方向だ。

ちょっと寂しいから、朝はお兄ちゃんの観察を念入りにするのが日課。

授業中に思い出して、ちょっと現実逃避する。








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