ヤンキーくんと甘い恋
ぽつりぽつりと凜が話し始めた。
「私、奈々子さんに会いに行ってたの。魁くんと別れてほしいって、婚約者だって。」
凜が奈々に?
「奈々子さんなにも悪くない…私が奈々子さん押したの…そしたら私が倒れちゃって…」
「もういい。わかったから。」
「本当に…ごめんなさい……。」
俺は震えている凜を抱きしめられなかった。
凜はずっと謝り続けている。
悪いのは俺だ。
俺はなにも知らないで、奈々と凜はこんなにも悩んで苦しんで。
俺は誰も守れなかった。
なにがNo.1の不良だ。
なにがNo.1の強さだ。
大切な人を守れないんじゃこんな力必要ない。
俺は…弱い。