時雨.
≫ 出逢い .
原川が帰り 、呉杏は
廊下で月を眺めていた。
「 ね-ぇしゃぁぁぁあん!!
くれあねぇしゃぁあん! 」
「 …なに? そんなに大きな声を出したら
周りに迷惑よ 、慎みなさい? 」
「 はぁい 、わかりました! 」
元気いっぱいに呉杏の手を握り
腰あたりに抱きついて来た
呉杏よりまだ幾つも下の少女は
禿である。齢6くらいであろう。
名は 、花風(おうか)といった。
「 それで 、どうかしたの? 花風 」
「 あっそれがね!
しゅごく! すっご-ぉくかっこいいおかたがねぇさんをよんでいたの!! 」
「 すごくかっこいい ? 」
不思議に思いながら
呉杏は花風についていった。