時雨.
✡ 2章 .
≫ 何処か..
あの新撰組の .. !?
あり得ない。
こんな処(戯処)にどうして ..
紅杏は驚いたが 、冷静を装った。
「 あぁ、君が紅杏ちゃん? 」
声をかけられた紅杏は、
咄嗟に言葉が出なかった。
紅杏を見据える瞳が
余りにも真っ直ぐであったからである。
「 あっ…ええと、そうでありんす。
新撰組の沖田総司さん?
こんな処に何の用でありんすか? 」
何とか自然に(?)応えた紅杏。
続けて彼は言った。
「 僕の相手をしてくれないかな? 」
「 ... わたくしで宜しければ是非 」
2人の会話を聞いていた
周りの花魁たちは、
そそくさと部屋へ戻っていった。
「 部屋へ案内しまいんす。
ついてきてくんなまし 」
沖田が頷いたのを確認し、
紅杏は部屋へと案内した。