太陽が泣いた昼下がり【完】
午後6時の失恋
「俺さ、彼女できた」
タイチにそう告げられたのは、夏休み2週間目の事だった。
「え、なんで…いきなり」
今まで、タイチは¨彼女¨という存在を作らなかった。
「なんでって…、そろそろ潮時かとおもって」
タイチの目は、鋭く私を捕らえてた。
潮時。
嫌な予感がした。
「もう、俺ら…キスとかするのやめよう…、」
「....」
言葉がでなかった。
「どうして?」とか「嫌だ」とか、いろいろ言いたのに。
何も言わない私を、肯定してるとタイチは捉えたようだ。
「まぁ、陽子はもう、俺と練習なんてしなくても、十分うまいもんな....キス」
「っ、それは!!」
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タイチは、絶対言って欲しくなかった。