タイムマシン【短編】
そして9月23日、過去の私のデートの当日。
気になった私は、デートで自分が来る予定のレストランで、奥の席で変装して待っていることにした。
帽子、サングラスに新聞も用意したし、大丈夫だろう。


やがて、過去の私が美希を連れてやって来る。二人は、当時の私が座った場所と同じ席に座った。
私は食事が終わるのを遠くから見て待っていた。

あーあ…デートなんだからもっと楽しそうにしたらいいのに。

若い私は、緊張のせいか、ガッチガチだった。
やがて食事が終わり、会計のところで注目した。

コンドーム…持ってきてないだろうな…?


若い私は財布を出そうとしたが、見つからないようで、何度もポケットをまさぐっていた。


「やばい…ない。財布…どこやったんだろ」

そう言っていた。


コンドームどころか、財布までなくすなんて…!なんてアホな奴なんだ。

自分で自分が情けなくなったが、その時、確実に歴史が変わっているということに気付いた。



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