タイムマシン【短編】
翌月、探偵からまだ博士が見つからないということを聞き、私は占い師を続けた。

私の占いでほとんど失敗の無い生活を続ける彼は、以前の私より順調だった。

そして、私より1ヶ月も早く、美希ちゃんを彼女にしてしまった。

そして、ある時、ファンレターが届いた。

差出人の名前を見て、私は固まった。


―柳堀圭。


それは、過去の、17歳の自分からだった。

恐る恐る封を開ける。

手紙にはこう書かれていた。


“ヤナ先生の星占いをいつも楽しく読ませていただいています。ヤナ先生の占いは本当に良く当たって、クラゲに本当に刺されてから、信じようと思って占いの通りにしてきました。そうしたら、彼女が出来ました!本当にヤナ先生には感謝しています。これからも頑張って下さい。”


「ヤナ先生か…」

これが自分の柳堀の“ヤナ”だとも知らずに…。

私がこうやって書かなくても、彼女は出来たんだよ。


私は彼にこうやって返した。


『お手紙ありがとう。彼女が出来たのはきっと、君自身の力だよ。だけど、遠い先の話になってしまうけど、3年後の6月28日は、仕事を休んで、お母さんを水族館か動物園に連れてってあげたらいいと思うよ。なんとなくだけど、そんな気がするんだ。お母さんを大切にしてあげてね』


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