タイムマシン【短編】
3年後の6月28日…それは、万博の日だった。


母が亡くなったという連絡を受けたのは、仕事中の一本の電話だった。


ほとんどの病気や怪我が治せる今の医学でも、無理だった。

母は運転に過失のあったトレーラーに突っ込まれ、即死だった。

納得のいく親孝行が出来ていなかった私は、それから後悔でいっぱいだったんだ。




―さらに2ヶ月が過ぎ、探偵からようやく博士が見つかったとの報告を受けた。

だが、私は大事な仕事を控えていたため、また連絡すると言って、博士のことを先延ばしにしてしまった。

タイムマシンの報告に来た私が、すっかり自分への占いに執着してしまったのだ。


12月は、大事な時期を迎えていた。


過去の私は、この年のクリスマスに、美希ちゃんと過ごせなかった。
美希ちゃんが家庭の都合でどうしても会えなくなり、私は家にひとりでいると、一人の女の子から電話がかかってきて、その子と一緒に過ごしてしまうのだ。

それが後々彼女にバレて、私は美希ちゃんと別れてしまう。

“浮気”

それは本当に悔やみ続けていた問題だった。あんなにいい娘を裏切るなんて、本当に最低だったのだ。


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