タイムマシン【短編】
私は建設現場で大木博士と二人っきりになり、話をした。


「ここは、君が研究所を建ててる場所だね?」

私は若い博士に問いかけた。


「そうだよ。というかお前誰だよ?」


「未来から来た者だ」


「未来?ハァ?フザけてんの?」

同じ大木博士とは思えないほど、軽率でチンピラのような男だった。見た目の面影はあるものの、口調は違った。


「何のための研究所なんだ?ここは?」


「合法ドラッグをたくさん作って売りさばこうと思ってさ。金も女もさらに手に入るかなって思って」


まるで私の知っている大木博士ではないようだった。そして、私はこう尋ねる。


「タイムマシンには…興味ないのか?」


「はぁ?ほとんどの学者が失敗してるヤツだろ?無理だろ。そんなモン作れねーよ。宇宙一気持ちのいいドラッグを作ったほうが人のためになるぜ」


参った。ここまで腐った男が、後々タイムマシンを作るまでに化けるとは、到底思えなかったのだ。

しかし、一応アドバイスでもしておくか。


「タイムマシンを…君なら作れる」


「は?だから作る気ねーし」
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