タイムマシン【短編】
手紙には、こう記されていた。


“お手紙ありがとう。彼女が出来たのはきっと、君自身の力だよ。だけど、遠い先の話になってしまうけど、3年後の6月28日は、仕事を休んで、お母さんを水族館か動物園に連れてってあげたらいいと思うよ。なんとなくだけど、そんな気がするんだ。お母さんを大切にしてあげてね”



「3年後…。ヤナ先生…わざわざ俺だけのために占いを…。お母さんを大切に…か」


そう呟くと、圭は母に行き先を伝え、アクセサリーショップへ向かった。






星占いに記されていた、10月25日に、圭は彼女の美希を急に呼び出し、映画館へ連れて行った。


「えーちょうど観たい映画があったのー!」
と、映画館で美希は喜びを顔に表していた。

そして、映画が終わってから、圭は美希にプレゼントをした。


「え、開けていいの?」

「うん」


箱の中からは、青くキラキラした、イルカのピアスが出てきた。


「超可愛い。ありがとー。私イルカ大好きなの!」


「そうなんだ…!よかったー」

喜んでもらえて圭も満足していた。

圭は占いの通りに行動しているだけなのだが、全て、美希の心を読んでいるかのような行動だったのだ。


―しかし、全てがうまくいく訳ではなかった。

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