タイムマシン【短編】
その日の帰り道、映画館を出たところで、二人組の男達に絡まれたのだ。

二十代後半の少しガラの悪そうな男達が、美希に詰め寄ってくる。


「あれー?すげぇ可愛いじゃん?」

「どこの子?高校生?」


男の言葉を美希は無視して、避けて行こうとする。


「待ってよ。どこ行くの?」
と、男が美希の肩を後ろから掴んだ。

とっさに圭が反応する。


「やめろ…手を離せ」


「なんだぁ?ガキは帰って寝てろよ!」


「ガキじゃない!」


「なんだ?やる気か?俺達ムシャクシャしてるから、ちょうどいいぜ」
と、一人の男が言うと、もう一人もこう言って詰め寄ってくる。

「ああ。巷で当たると評判の競馬予想に500万賭けて、全部すっちまったからな」

「ヤナ先生だっけか?あんなクソ競馬予想しやがって」


圭はその言葉に反応する。星占いのヤナ先生が、競馬予想もやっているのを知っているからだ。



「ヤナ先生はくそじゃない!すげぇ当たるんだ!」


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