タイムマシン【短編】
「ハァ?何言ってんだクソガキ…。ちょっと裏来いよ」

「ボッコボコにしてやんよ」

圭は男達に腕を捕まれた。

圭はそれでも美希に微笑んでこう言った。


「先に帰ってて。後で連絡するから」


「で、でも…」

美希はそれにためらう。


「大丈夫だから」


そう言って圭は映画館の裏まで男達について行った。







「―オラァ!」

圭は顔と体を十数発殴られていた。
大人二人対高校生。力で勝てるわけがなかった。


「クソ予想屋も彼女もかばっておいて、そのザマかよ。クソガキが」

倒れている圭に捨て台詞を吐いて、男達は去ろうとした。


そこに、一人の男が通りかかる。
大柄でスーツを着た男は、男達にこう言った。


「大人二人でガキに手ェ出すのは関心しねぇな」


「誰だ…?」


「名乗る程のモンじゃねぇが……神童組っていう成績優秀クラスだ」


神童組と名乗る男の言葉に、一人の男が怯み、小声でもう一人の男に言った。


「やべぇよ……本物だよ…」



「優秀って言ったって、暴力の成績だけどな」
と、スーツの男は言ったと同時に、拳を突き出した。
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