タイムマシン【短編】
「あ、えーと…」
私は慌ててカードを出した。カードはこの時代と見た目は変わらないが…。
―ピピッ
「このカードは使えないみたいですよ」
店員にそう言われた。カードリーダーの画面にも赤い文字でエラーと表示されている。
やはりカードも駄目か…。
私はこの時代と変わらなかった硬貨を出し、新聞を購入した。
「ありがとうございましたー」
―参った。
800万円持ってきのだが、札やカードは全てが使えない。残り……972円か…。
これでは数日しかもたないだろう。
このままでは博士に会うまでに飢え死にしてしまうかもしれないと思った私は、動く歩道を乗り継ぎ、東京競馬場へと向かった。
私は子供の頃から競馬が好きだった。私が15歳だった当時、競走馬の育成ゲームが流行った。自宅でバーチャルの立体の馬を育て、騎手として乗って世界中の人と対戦するゲームだ。
その頃から競馬自体に興味を持っていたから、40年前のレースでも、大きいGⅠの結果は覚えている。
そして、大きいレースの日まで私は野宿を繰り返して、レース当日は全財産を賭けた。全財産と言っても、970円だが。
勿論、的中した。
「博士…未来を利用して…申し訳ない」
生活するためにはやむを得なかったんだ。
私は慌ててカードを出した。カードはこの時代と見た目は変わらないが…。
―ピピッ
「このカードは使えないみたいですよ」
店員にそう言われた。カードリーダーの画面にも赤い文字でエラーと表示されている。
やはりカードも駄目か…。
私はこの時代と変わらなかった硬貨を出し、新聞を購入した。
「ありがとうございましたー」
―参った。
800万円持ってきのだが、札やカードは全てが使えない。残り……972円か…。
これでは数日しかもたないだろう。
このままでは博士に会うまでに飢え死にしてしまうかもしれないと思った私は、動く歩道を乗り継ぎ、東京競馬場へと向かった。
私は子供の頃から競馬が好きだった。私が15歳だった当時、競走馬の育成ゲームが流行った。自宅でバーチャルの立体の馬を育て、騎手として乗って世界中の人と対戦するゲームだ。
その頃から競馬自体に興味を持っていたから、40年前のレースでも、大きいGⅠの結果は覚えている。
そして、大きいレースの日まで私は野宿を繰り返して、レース当日は全財産を賭けた。全財産と言っても、970円だが。
勿論、的中した。
「博士…未来を利用して…申し訳ない」
生活するためにはやむを得なかったんだ。