タイムマシン【短編】
やがて、2年間競馬ばかりをやり続けた私は、いつの間にかマンションを買うまでの財産を築いていた。

そして、競馬の予想屋としての仕事が入ってくるようになり、なぜか占いの仕事も入ってくるようになった。
しかし、テレビに出ることだけは断った。


ここへ飛ぶ前に博士に言われていたのだ。


『歴史を大きく変えるようなことはするな。未来にどんな影響があるかわからん。ここに帰ってこれなくなる可能性だってある。タイムマシンのことが世界にばれてしまうと、それを奪う争いや戦争が起こるかもしれん。あとは…過去や未来の自分には会うな。自分の身体にどんな影響があるかわからんからな…』


だから、メディアへの露出はなるべく避けた。細々と雑誌や新聞で予想と占いをして食い繋いだ。


しかし、占いや競馬の予想が当たると評判になり、占いで幾つものオファーが来た。
そのうちの一つの雑誌は、私が若いときに読んでいたファッション誌で、星占いのコーナーをやってくれというものだった。

私はその雑誌が当時一番好きだった雑誌だったため、懐かしく思い、それを快く引き受けた。

この雑誌は…この時代の私が買って読んでいるはずだ…。

当時読んでいて、当たらなかったが頼っていた気がする。

それが私にオファーが来たとなれば、自分の星座は当てる自信がある!

そう思った私は、自分の星座にだけ、的確なアドバイスをした。



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