さよならが言えなかった【完】
「なんで笑うのよ、」
「いやー、晴香が予想以上にマヌケだったから」
「な、なによ!」
さっきから、紺野の言ってる意味が分からない。
「って言うか、その子誰なの?」
「え、知りたい?」
私が頷いたのと同時に、視界が反転した。
え、なにこれ、今....紺野に押し倒されてる?
「ちょ、紺野…」
どいてよ、
そう言おうとしたのに、紺野の目があまりにも真剣で、言葉が出なかった。
「つまり、」
「捨てるやつがいたら、それを欲しがる奴もいるってこと」
「?」
「まだ分からないの?じゃあ…」
「~っつ!」
刹那、唇に柔らかいものが当たった。
「こういう事だよ。」
紺野の顔は、少し赤かった。
~さよならが言えなかった~終