それでも君が好きだから

「それじゃあ、明日プリント提出日だからなー
くれぐれも忘れないように!」



頭の中を通過していく担任の言葉。
あれからなんだか変だ、
心の中がもやもやするようなそんな感じ。



「紗耶?大丈夫?」

「あ、うん、ごめん。
なんか用事だった?」

「ううん!大丈夫!」



夏美の笑顔になぜかとてもほっとした。



「紗耶はもう帰るー?」

「うーん、たぶん今日も日直。」

「あーそっか、一週間だもんね。」



私たちのクラスは日直は当番制の一週間。
毎日日誌やら手伝いやらをさせられる。



「手伝おうかー?」

「え、いいよ!ありがとう。」



本当にいいの?と眉を下げながら聞いてくる。
たしか今日は上田君とお出かけって言ってたし、
そっちを優先させてほしい。



「いってらっしゃい。」

「うん!ありがとう!」



やっぱりかわいいな夏美は。

< 15 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop